予防歯科メインで再びフィリピンへGo!してきました

先月末に、名古屋のかすもり・おしむら歯科クリニックの押村憲昭先生のお誘いで、フィリピンのマニラから車で約2時間、アンヘレスと言う都市の小学校6年生に「予防歯科教室」を行ってまいりました。

今回のフィリピンの小学校で行った
予防歯科授業の概略です。

マニラ中心部から車で約2時間ほど行った公立の小学校6年生160名にハブラシ指導を中心とした予防歯科授業を行ってきました。

私の作った口腔衛生指導用の紙芝居をプロジェクター等を使ってのスライドショーで日本の衛生士さん3名が中心となって授業を行いました。

👆スライド係の私

👇以前から「つくばサンライズロータリークラブ」で歯科医師として歯科医療ボランティア活動をされている長谷川亮先生にも協力していただきました。

その後
生徒さんひとりひとりに
歯ブラシ、手鏡、紙コップ、染め出し錠剤タイプを渡して各自で歯垢を赤く染め出しをしました。

手鏡を見ながら歯ブラシを使ってスライドショーにあったペングリップ、「小刻みに動かす磨き方」で、赤いプラークを除去してもらいました。

手鏡と歯ブラシは、生徒にあげて家でも引き続き鏡を見ながら歯ブラシをしてもらうように伝えました。(鏡を見ながらの歯ブラシでないと自分の歯ブラシの動きが分からないので)

👆手鏡、歯ブラシ、紙コップを配る私

その後
Googleフォームで作成したスマホからできるアンケートをQRコードで生徒さん達に配り、そのアンケート結果からフィードバックして次回の歯ブラシ授業に活かす事ができます。

アンケート結果として
歯磨きを1日2回以上している生徒は殆どでしたが、歯磨き粉の正確な使い方を知らなかったり、歯ブラシの交換時期を知らない生徒さんが多かったり、歯ブラシ一本を家族で使い回している家庭も意外にも多かったり、その場だけでは分からない各家庭や地域の公衆衛生の背景が見えて来ますので今後の授業内容への参考になります。

歯ぐきからの出血を気にしたり、口臭を気にしている生徒さんが意外といる、けれど歯並びの悪さはあまり気にしていないなどという事も分かってきました。

👆すでに大臼歯に大きめな虫歯があります💦

👇おやつ指導に励む押村先生。実は、フィリピンには「ミリエンダ」と言うおやつを必ず一日に2回とるという習慣、文化があるのでむし歯が減らないという理由もあります。日本では考えられませんが小学校でも甘いおやつが簡単に購入できてしまうという生活習慣背景もあります💦

👆小学校前には、アイスクリームや、甘いシロップ漬け果物を売る屋台がおやつタイムを狙って売りに来る!生徒が買いに行くのは自由なのさ (^_^; アハハ…

👆小学校の目の前には、常設の「サリサリストアー」(お菓子、食べ物や生活雑貨を販売する小さ目なお店)が完備!わぉ~、これじゃ、むし歯になっちゃうよね~、どがんかせんといかん。

さらに追加の問題として
フィリピンの歯ブラシが
基本日本の歯ブラシの約1、5倍の大きさがあり
ほとんどの子供がこの大人用を使っていました。

スーパーでも
アジア人の歯の大きさに合った小さめの歯ブラシを見つける事も難しいのです。

👆明らかに、デカっ!

👆マジ、でかっ!アメリカンサイズかいっ!

そして「ミスター・ジョリ男」な私は
ここでもジョリビーのお面を被って、

「Let’s brushing for 3 minutes after
Eating and Drinking!」
と歯ブラシを片手に叫んで回りました。

👆若干のホラー感アリ。

👆どの様な方法でも、生徒さんの脳裏に焼きついて記憶として残って生活習慣として行動変容につながる事が生活習慣病としてのむし歯と歯周病を改善・予防する策になるのだと思います。

おかげで
小学校を去るまで私の顔を見るたびに
生徒さんには「ジョリビー!ジョリビー!」と言われ、また先生方には
「ミスター・ジョリ男」と言う形で認識されました💦

とにかく
正しい歯ブラシの方法が🪥自分ごととして身についてくれれば良いです。

この事は
フィリピンだろうが日本だろうが人間である限り生活習慣病である限り同じ事です!

でも、小児用歯ブラシやタフトブラシ等を配ったらもっと最後臼歯部遠心のプラークも簡単に取れたのに!と思いました。

次回への課題ですね。

ただ今回は座っての移動が多くて
私のガラスの腰と心は、ヒビだらけです(笑)

割れた心の破片は拾ってきたので
おうちのスパボンでくっつけたいと思います。

ところで、今回のデンタルミッションの中で私が押村先生に今年の上半期流行語大賞を頂いた言葉
「ボランティアには、即効性があるが持続性がない」
にあります様にその後の継続が難しいものです。

それを防ぐためは、
「伝える事も大切なボランティア」とし周りの人に「伝える」事がひとつの方法かと私は考えております。

👆押村先生、貴重な体験をするチャンスをいただき本当にありがとうございました。

これからも、「歯ブラシ1本で救える命がある」この事を国境を越えて世界の人々に伝えてまいりましょう!

【追伸】
アンヘレス予防歯科ボランティアから返って来ました。

無事に日本に着きました。

まず日本のホテルのシャワー水圧に🚿感動しております(笑)

これも海外に行ったからこそ、日本のありがたみが分かる、
まさに
あたりまえの「あ」からありがとうの「あ」へ
ですね✨

☆「抗がん剤の副作用の口内炎には、どの歯磨き粉とうがい薬が効くのか選手権」開催のお知らせ

抗がん剤:シスプラチンとその副作用の口内炎対策

8月10日より抗がん剤の点滴スタートします。

今回私が化学療法の抗がん剤として使用する「シスプラチン」という薬剤は、実はあの「プラチナ」金属から作られた薬です。といって、投与すると私の体がキラキラ✨するわけではありません。

シスプラチンだけに限ったわけではありませんが、抗がん剤には強い副作用があります。なぜなら、がんもやっつけてくれますが正常な細胞も一緒にダメージを与えてしまうからです。
主なものは、吐き気、口内炎、倦怠感、白血球の減少による免疫力の低下、食欲不振、脱毛、下痢、手足のしびれなどがあります。

さらに、同時に行う放射線治療でも放射線が首の周囲に当たることで、唾液の減少などによってさらに口の中に口内炎ができやすくなります。

その、あまたある副作用の中で歯医者さんである私が積極的に予防に取り組めるとすれば、それはずばり「口内炎」でしょう!

ということで、来るべきシスプラチンの副作用「口内炎」に積極的に立ち向かうべく「抗がん剤の副作用の口内炎には、どの歯磨き粉とうがい薬が効くのか選手権」を勝手にひとり、病室で開催することにしました👏

その方法は、口内炎の原因である

①原因であるバイ菌を積極的に減らす
②結果である口内炎=歯ぐきの炎症を抑える


に焦点を当てて、歯磨き粉とうがい薬を強さや薬効、目的別にチョイスしてその効果をみてみたいと思います。

つまりは、どの歯磨き粉、うがい薬が抗がん剤の副作用である口内炎を防ぐのか、またはできた口内炎を抑えることができるのかを歯科医師である私自身が身をもって体験・報告いたします。

と、その前に歯磨き粉大切の大切な、重要な、基本的な使い方をお伝えします。

声を大にして言いたい!

歯磨き後のうがいは、しないほうが断然良い!

ということです。

なぜならば、歯磨き粉の薬効成分を口の中に残すためです。

これも、意識しないと、ドラッグストアーに行ってなんとなくテレビCMで流れてる商品を購入し、おうちでの歯磨きの時に「歯磨きの時に、いっぱいつけた方が口の中のバイ菌をやっつけてくれるよね~」とスタート時に歯磨き粉を多めに歯ブラシにつけてしまいます。

その結果、すぐに泡だらけになり長時間磨けなくなるか、ミントの味ですっきりしてしまって「もういいか」と磨く時間が短くなってしまうこととなってしまいます。(※なので、泡だらけにならない様につける歯磨き粉の量は、グリンピースの豆の半分~1粒分ぐらいにね!)

さらに、日本人はとてもキレイ好きな人種ですので、今度はお口の中で泡になった歯磨き粉は「バイ菌の塊ではないか」と、どうしてもしっかりとうがいをしたくなってしまいます。

1回のブクブクうがいでお口の中の歯磨き粉の薬効成分は1/4までなくなってしまいます!
これは、もったいないですよね。

たとえてみれば、せっかく顔にお化粧水を塗ったのにそのあとに思い切り顔を洗ってしまうようなものです💦

ですから、歯磨き粉の後のうがいは、薬効成分とフッ素をお口の中に残すためにも、歯磨き後はうがいはしないか、おちょこ一杯程度の少なめの水でのうがいにしましょう。

最後にこの内容を講演会などでお話しすると「うがい薬を使う場合は、どうしたらいいの?」という質問を多くいただきます。

私の場合、まず1日に4回歯を磨きます。

「朝食前」「朝食後」と「昼食後」の歯磨きは、磨いた後お口の中に歯磨き粉を残し、「寝る前の歯磨き」の時はうがい薬でしっかりうがいしてフィニッシュします。

なぜ、朝食前に磨いた方が良いのかというと、寝起きのお口の中には、1日の中で一番のバイ菌が存在しているからです。
その量、ウ〇チで小さじ2杯分。(お食事中の方スイマセン💦)
数にして、およそ4~5兆匹。

その細菌をご飯と一緒に食べてしまうと、おおよそのバイ菌達は胃酸で死にますが、生き残った悪玉菌のバイ菌が腸まで到達して腸内環境を乱してしまいます。
免疫力は、腸内環境に大きく左右されますので体の免疫力、抵抗力も下がり風邪などにかかりやすくなります。

そのリスクを少しでも下げるためにも、コロナ禍の今、コロナにかからないためにも、歯みがきは朝食前の1回をプラスした「1日4回歯みがき粉残し」をおすすめします!

そして、なぜ「寝る前の歯みがき」だけは最後にうがい薬でフィニッシュするのか。
お口の中のバイ菌は寝ている間に30倍にも数を増やし朝方の口臭や歯周病につながるからです。

それは寝ている間というのは、水分をとらないのでお口の中の唾液が減少してお口の中が乾き、唾液によるバイ菌の洗い流し、殺菌がされにくくなるからです。

唾液が少なくなる寝ている間は、唾液の代わりに歯磨き粉をお口の中に残すか、私の場合は、歯磨き粉よりもより長時間(約5~6時間の睡眠時間の間)歯ぐきにとどまって薬効を発揮し続けてくれるうがい薬をチョイスします。そのような理由で歯医者の私は寝る前は歯みがきの後にあえてうがい薬でフィニッシュします。

このときは、思い切りうがい薬でうがいしちゃってかまいません!

そしてこの習慣は入院中も変わっていません。

みなさんもご参考にどうぞ。

選手権の結果は追ってご報告いたします。