☆「抗がん剤の副作用の口内炎には、どの歯磨き粉とうがい薬が効くのか選手権」開催のお知らせ

抗がん剤:シスプラチンとその副作用の口内炎対策

8月10日より抗がん剤の点滴スタートします。

今回私が化学療法の抗がん剤として使用する「シスプラチン」という薬剤は、実はあの「プラチナ」金属から作られた薬です。といって、投与すると私の体がキラキラ✨するわけではありません。

シスプラチンだけに限ったわけではありませんが、抗がん剤には強い副作用があります。なぜなら、がんもやっつけてくれますが正常な細胞も一緒にダメージを与えてしまうからです。
主なものは、吐き気、口内炎、倦怠感、白血球の減少による免疫力の低下、食欲不振、脱毛、下痢、手足のしびれなどがあります。

さらに、同時に行う放射線治療でも放射線が首の周囲に当たることで、唾液の減少などによってさらに口の中に口内炎ができやすくなります。

その、あまたある副作用の中で歯医者さんである私が積極的に予防に取り組めるとすれば、それはずばり「口内炎」でしょう!

ということで、来るべきシスプラチンの副作用「口内炎」に積極的に立ち向かうべく「抗がん剤の副作用の口内炎には、どの歯磨き粉とうがい薬が効くのか選手権」を勝手にひとり、病室で開催することにしました👏

その方法は、口内炎の原因である

①原因であるバイ菌を積極的に減らす
②結果である口内炎=歯ぐきの炎症を抑える


に焦点を当てて、歯磨き粉とうがい薬を強さや薬効、目的別にチョイスしてその効果をみてみたいと思います。

つまりは、どの歯磨き粉、うがい薬が抗がん剤の副作用である口内炎を防ぐのか、またはできた口内炎を抑えることができるのかを歯科医師である私自身が身をもって体験・報告いたします。

と、その前に歯磨き粉大切の大切な、重要な、基本的な使い方をお伝えします。

声を大にして言いたい!

歯磨き後のうがいは、しないほうが断然良い!

ということです。

なぜならば、歯磨き粉の薬効成分を口の中に残すためです。

これも、意識しないと、ドラッグストアーに行ってなんとなくテレビCMで流れてる商品を購入し、おうちでの歯磨きの時に「歯磨きの時に、いっぱいつけた方が口の中のバイ菌をやっつけてくれるよね~」とスタート時に歯磨き粉を多めに歯ブラシにつけてしまいます。

その結果、すぐに泡だらけになり長時間磨けなくなるか、ミントの味ですっきりしてしまって「もういいか」と磨く時間が短くなってしまうこととなってしまいます。(※なので、泡だらけにならない様につける歯磨き粉の量は、グリンピースの豆の半分~1粒分ぐらいにね!)

さらに、日本人はとてもキレイ好きな人種ですので、今度はお口の中で泡になった歯磨き粉は「バイ菌の塊ではないか」と、どうしてもしっかりとうがいをしたくなってしまいます。

1回のブクブクうがいでお口の中の歯磨き粉の薬効成分は1/4までなくなってしまいます!
これは、もったいないですよね。

たとえてみれば、せっかく顔にお化粧水を塗ったのにそのあとに思い切り顔を洗ってしまうようなものです💦

ですから、歯磨き粉の後のうがいは、薬効成分とフッ素をお口の中に残すためにも、歯磨き後はうがいはしないか、おちょこ一杯程度の少なめの水でのうがいにしましょう。

最後にこの内容を講演会などでお話しすると「うがい薬を使う場合は、どうしたらいいの?」という質問を多くいただきます。

私の場合、まず1日に4回歯を磨きます。

「朝食前」「朝食後」と「昼食後」の歯磨きは、磨いた後お口の中に歯磨き粉を残し、「寝る前の歯磨き」の時はうがい薬でしっかりうがいしてフィニッシュします。

なぜ、朝食前に磨いた方が良いのかというと、寝起きのお口の中には、1日の中で一番のバイ菌が存在しているからです。
その量、ウ〇チで小さじ2杯分。(お食事中の方スイマセン💦)
数にして、およそ4~5兆匹。

その細菌をご飯と一緒に食べてしまうと、おおよそのバイ菌達は胃酸で死にますが、生き残った悪玉菌のバイ菌が腸まで到達して腸内環境を乱してしまいます。
免疫力は、腸内環境に大きく左右されますので体の免疫力、抵抗力も下がり風邪などにかかりやすくなります。

そのリスクを少しでも下げるためにも、コロナ禍の今、コロナにかからないためにも、歯みがきは朝食前の1回をプラスした「1日4回歯みがき粉残し」をおすすめします!

そして、なぜ「寝る前の歯みがき」だけは最後にうがい薬でフィニッシュするのか。
お口の中のバイ菌は寝ている間に30倍にも数を増やし朝方の口臭や歯周病につながるからです。

それは寝ている間というのは、水分をとらないのでお口の中の唾液が減少してお口の中が乾き、唾液によるバイ菌の洗い流し、殺菌がされにくくなるからです。

唾液が少なくなる寝ている間は、唾液の代わりに歯磨き粉をお口の中に残すか、私の場合は、歯磨き粉よりもより長時間(約5~6時間の睡眠時間の間)歯ぐきにとどまって薬効を発揮し続けてくれるうがい薬をチョイスします。そのような理由で歯医者の私は寝る前は歯みがきの後にあえてうがい薬でフィニッシュします。

このときは、思い切りうがい薬でうがいしちゃってかまいません!

そしてこの習慣は入院中も変わっていません。

みなさんもご参考にどうぞ。

選手権の結果は追ってご報告いたします。

「がんと歯医者と歯周病。」そんなカテゴリのタイトルをつけたのは…

がんと歯周病は、ある意味で似ている気がしたので。

それと、私にがんの確定診断が出た時に、
早速「中咽頭がん 歯医者」「中咽頭がん 抗がん剤 副作用 口内炎 予防」などのキーワードでググったのですが、グーグル先生はあまり答えを持っていらっしゃらなかったので、では、実際に中咽頭がんになった歯医者さんの私がブログ内で書いてみようかと思った次第です。

ちなみに「中咽頭がん 芸能人」とググると真っ先に、「ワッキー」とグーグル先生は答えてくれます。

私は、ワッキーと同じがんでございます。
がん仲間、がん友でございます。

歯科医師芸人の私としましては、この上ない幸せでございます。

がんは、その予防、治療、再発防止も含めて長く付き合う病気の一つなのだと思います。
がんも含めて、実は完全に治る病気というのは、そう多くはありません。

高血圧も糖尿病もうつ病も、そして歯科医師の私が扱う歯周病も治ったとは言い切るのは難しい「慢性疾患」です。がんも特別な病気ではなく、こうした慢性疾患と同じだと考えるのがこれからの正しい捉え方なのだと思います。

だとすれば、私が毎回初診で患者さんに話しているように、予防歯科とは、病気(歯周病やむし歯)があってその原因が分かっていれば必ず予防方法があり予防はできる、と言うこと。

つまり、その原因におけるの自分が持っているリスクの高い低いを検査で確認して、リスクが高ければ低くするための治療、対策を行い、リスクが低いものはそれを維持するためにおうちでのホームケアや歯科医院でのメンテナンス(歯石取りやお口のクリーニング)の定期的な予防歯科を行ってゆく、そういった意外とシンプルな事を実践すれば良いのです。

是非とも皆さんには、大切な歯も体も定期的な検査をお勧めいたします。

久しぶりの講演会です!

コロナ禍で、院外セミナーの講師依頼が減少しておりましたが先日久しぶりに講演会をしてきました。

諏訪地区公民館事業の家庭教育支援講座の一環で「子どものための”予防歯科”」についてお話をしてきました。

羽尾歯科医院 春日山の理念の一つ「歯を治すからまもるへ」のために歯医者さんとお家ではどのようにむし歯を予防したら良いのか、シュガー(砂糖)コントロールとフッ素の活用法を中心にお話をしてきました。

むし歯は、一瞬でできるものではありません。

「甘さ」への慣れは3才頃までに決まります。
3才までは、白い砂糖はなるべく避けて、茶色い砂糖(てんさいとうや黒糖)を使用しましょう。

「あめちゃん1個、少しだからいいか」この「チョビチョビ食べ」がむし歯になりやすい状況を作ります。
もし、食べてしまったら、うがいをするかお茶を飲んでお口の中を中和しましょう!

現代の歯磨き粉は、残した方がお得ですよ!

皆さんのお役に立てて、久しぶりでしたがとても有意義な講演会となりました。

歯周病菌は万病の元、 今すぐ適切な口腔内ケアを!

歯周病とは、歯と歯ぐきの間で細菌が繁殖し、歯の周りで炎症を起こす病気です。

悪化すると歯が失われることに加え、歯周病菌が歯ぐきの血管から侵入して体をめぐり、全身で様々な病気を引き起こす原因にもなります。

これまでに分かっているのは、糖尿病や非アルコール性脂肪肝炎などの生活習慣病のほか、心臓病や脳卒中、最近では認知症のリスクを高めるということが分かってきています。


また、高齢者に多い誤嚥性肺炎や、女性の子宮内膜症、早産、さらには骨粗鬆症や関節リウマチにも、影響があることが報告されています。

歯周病をはじめとする、口の中の悪玉菌は、内臓脂肪を増やし肥満を悪化させる要因であり、万病のもとであると言えます。

さらには、口の中に悪玉菌が増えてくると、コロナウィルス、インフルエンザウィルスが体内に入り込みやすくなり、ウィルス性疾患にかかりやすくなります。

ということは、お口のケアをするだけで多くの病気のリスクを下げることができるのです。

ぜひ、この機会をチャンスに歯医者さんで適切な口腔内ケア、予防歯科を始めてみませんか!

「コロナの正しい医学的知識」は、自分の身を守ります!

年末から、新年にかけましてコロナ感染対策として慌ただしくGOTOイートもGOTOトラベルも中止され、 マスコミ報道によって「歯科医院に行くのが怖い」という患者さんが増えているかもしれません。

電車やバスなど公共交通機関を利用して通院している患者さんの中には「公共交通機関に乗りたくないから通院しない」という方もいらっしゃるかもしれません。


まず、私たち医療従事者の医師や歯科医師、スタッフが正しい情報を得ておく必要があるのだと思います。

そして、情報過多の報道からプロとして患者さんに、正しく患者さんのために役に立つ情報を伝えることができれば幸いです。

1. コロナで重症化しているのは基礎疾患のある高齢者です。感染者の症状は軽くなっており、しかも治療法も徐々に確立しています。
ただ、悲しいことに現実問題としては、コロナの隔離病棟で筋トレをしている患者さんを完全防護服に身を包んだ看護師が看護しているような状況が、 コロナ以外の疾病に対する看護師不足の要因のひとつともなっています。

2. 感染経路が家庭などに変化しています。
家族が全員一日中外出しない家庭は考えられませんから、 どこにいても感染リスクがあるということになります。
つまり「マスクと手洗い、 うがいをすることで感染を予防する」以外に対策がないと言うことが強く言えるのだと思います。

     

3. 強い感染予防に留意が必要です。インフルエンザがほぼ完全に押さえ込まれているのに、 コロナは感染者が増えています。
それは、インフルエンザよりもコロナがより強い感染力を持っているからです。
軽症か無症状でも感染すると2週間隔離されます。
自分が辛いだけでなく、家族や友人そしてその職場にまで大きな影響がでます。
感染予防に留意していただきたいと思います。

上記のことを踏まえた上で、次のことが言えます。

1. 歯科医院では、換気と空気清浄機、 さらに院内での感染予防に努めており、 安心して通院していただけることです。
歯科医院で歯科医療従事者から患者さんが感染した事例は1件も報告されていません。予約制なので、混んだ待合室で長時間待つこともありません。
感染予防を徹底していますので、 安心して通院いただけます。


2. 口腔ケアでコロナ感染症の予防効果があると言うことです。
 コロナウイルスは舌の上の細菌が作る毒素を受容体にします。
 お口の中の細菌数が増えるとコロナに感染しやすくなります。
歯科医院でのお口のクリーニングで口腔内を清潔にすることにより感染リスクを低下できます。


3. コロナ肺炎の重症化予防効果があります。
コロナ感染症はウイルス性肺炎を起こします。
肺胞の細胞内で爆発的にウイルスが増殖して細胞を殺します。
死んだ細胞にむし歯菌や歯周病菌が入って増殖しさらに細菌性肺炎になります。
細菌が血管から体内に入って菌血症になり、 基礎疾患によ って免疫力が低下していると、多臓器不全を起こして死に至るのです。

4. むし歯も歯周病も時間をおくと悪化すると言うこと。
コロナ感染が怖いからしばらく様子をみると、その間に、確実にむし歯も歯周病も悪化します。1 ヶ月も経過すると、 症状が進み重症化していきます。

つまり、
「コロナに感染するリスクを下げるために歯科医院に来てください」
「コロナで重症化したくなければ歯科医院に来てください」
と言うことをみなさんにお伝えしたいと思います。


正しい予防知識を武器に、コロナに対して「正しく恐れる」と言うことを忘れないようにしましょう