歯周病菌は万病の元、 今すぐ適切な口腔内ケアを!

歯周病とは、歯と歯ぐきの間で細菌が繁殖し、歯の周りで炎症を起こす病気です。

悪化すると歯が失われることに加え、歯周病菌が歯ぐきの血管から侵入して体をめぐり、全身で様々な病気を引き起こす原因にもなります。

これまでに分かっているのは、糖尿病や非アルコール性脂肪肝炎などの生活習慣病のほか、心臓病や脳卒中、最近では認知症のリスクを高めるということが分かってきています。


また、高齢者に多い誤嚥性肺炎や、女性の子宮内膜症、早産、さらには骨粗鬆症や関節リウマチにも、影響があることが報告されています。

歯周病をはじめとする、口の中の悪玉菌は、内臓脂肪を増やし肥満を悪化させる要因であり、万病のもとであると言えます。

さらには、口の中に悪玉菌が増えてくると、コロナウィルス、インフルエンザウィルスが体内に入り込みやすくなり、ウィルス性疾患にかかりやすくなります。

ということは、お口のケアをするだけで多くの病気のリスクを下げることができるのです。

ぜひ、この機会をチャンスに歯医者さんで適切な口腔内ケア、予防歯科を始めてみませんか!

「コロナの正しい医学的知識」は、自分の身を守ります!

年末から、新年にかけましてコロナ感染対策として慌ただしくGOTOイートもGOTOトラベルも中止され、 マスコミ報道によって「歯科医院に行くのが怖い」という患者さんが増えているかもしれません。

電車やバスなど公共交通機関を利用して通院している患者さんの中には「公共交通機関に乗りたくないから通院しない」という方もいらっしゃるかもしれません。


まず、私たち医療従事者の医師や歯科医師、スタッフが正しい情報を得ておく必要があるのだと思います。

そして、情報過多の報道からプロとして患者さんに、正しく患者さんのために役に立つ情報を伝えることができれば幸いです。

1. コロナで重症化しているのは基礎疾患のある高齢者です。感染者の症状は軽くなっており、しかも治療法も徐々に確立しています。
ただ、悲しいことに現実問題としては、コロナの隔離病棟で筋トレをしている患者さんを完全防護服に身を包んだ看護師が看護しているような状況が、 コロナ以外の疾病に対する看護師不足の要因のひとつともなっています。

2. 感染経路が家庭などに変化しています。
家族が全員一日中外出しない家庭は考えられませんから、 どこにいても感染リスクがあるということになります。
つまり「マスクと手洗い、 うがいをすることで感染を予防する」以外に対策がないと言うことが強く言えるのだと思います。

     

3. 強い感染予防に留意が必要です。インフルエンザがほぼ完全に押さえ込まれているのに、 コロナは感染者が増えています。
それは、インフルエンザよりもコロナがより強い感染力を持っているからです。
軽症か無症状でも感染すると2週間隔離されます。
自分が辛いだけでなく、家族や友人そしてその職場にまで大きな影響がでます。
感染予防に留意していただきたいと思います。

上記のことを踏まえた上で、次のことが言えます。

1. 歯科医院では、換気と空気清浄機、 さらに院内での感染予防に努めており、 安心して通院していただけることです。
歯科医院で歯科医療従事者から患者さんが感染した事例は1件も報告されていません。予約制なので、混んだ待合室で長時間待つこともありません。
感染予防を徹底していますので、 安心して通院いただけます。


2. 口腔ケアでコロナ感染症の予防効果があると言うことです。
 コロナウイルスは舌の上の細菌が作る毒素を受容体にします。
 お口の中の細菌数が増えるとコロナに感染しやすくなります。
歯科医院でのお口のクリーニングで口腔内を清潔にすることにより感染リスクを低下できます。


3. コロナ肺炎の重症化予防効果があります。
コロナ感染症はウイルス性肺炎を起こします。
肺胞の細胞内で爆発的にウイルスが増殖して細胞を殺します。
死んだ細胞にむし歯菌や歯周病菌が入って増殖しさらに細菌性肺炎になります。
細菌が血管から体内に入って菌血症になり、 基礎疾患によ って免疫力が低下していると、多臓器不全を起こして死に至るのです。

4. むし歯も歯周病も時間をおくと悪化すると言うこと。
コロナ感染が怖いからしばらく様子をみると、その間に、確実にむし歯も歯周病も悪化します。1 ヶ月も経過すると、 症状が進み重症化していきます。

つまり、
「コロナに感染するリスクを下げるために歯科医院に来てください」
「コロナで重症化したくなければ歯科医院に来てください」
と言うことをみなさんにお伝えしたいと思います。


正しい予防知識を武器に、コロナに対して「正しく恐れる」と言うことを忘れないようにしましょう

歯とダイエットの関係シリーズ~その2~

口腔内細菌が腸まで届き脂肪を燃えにくくする!

歯と歯ぐきの間にたまるプラーク(歯垢)1mgの中には、多い人で約10億もの細歯が潜んでいるといわれています。
口の中全体となると、700種類以上、1000億を超える細菌がすみついているとされます。



さらに、口の中のケアができていない人にいたっては、その数は1兆個以上ともいわれます。
この細歯数は便よりも多い、つまり肛門よりも汚いといえます。


最新の研究で、これら口の中の細菌のうち、歯周病歯などの悪玉菌が、唾液や食物を介して腸に流れ込んでいる可能性があることがわかりました。

そして、善玉菌、悪玉菌、日和見菌といった「腸内細梢」のバランスに影響を与えると考えられています。

腸内細菌のバランスが崩れると、有害な老廃物がたまりやすくなります。
いわゆる便秘です。


腸内に滞った老廃物は有害物質を発生させ、それが全身の血液にのって全身をめぐり、腸以外でも不調を引き起こすほか、体の代謝を低下させるので、脂肪が燃焼しにくくなります。

口の中のケアは、肥満を予防するためにも必須なのですね!

歯とダイエットの関係シリーズ~その1~

体に脂肪がたまるのは、歯と歯ぐきの不調も原因?

歯周病や虫歯などで歯や歯ぐきが健康ではなくなると、
無意識のうちに「よく噛まずに早食い」をしたり、
「やわらかい食べ物」を選んだりしがちです。

食事の際に噛む回数が少ないと、実は体に「脂肪」がたまりやすくなります。

その原因の1つめは、消費エネルギーが減ってしまうことです。
近年の研究では、よく噛むことで食後のエネルギー消費が多くなり、
太りにくくなることがわかっています。

唾液も多く分泌されるので、胃や腸といった消化器官の負担も減り一石二鳥です。

2つめは、噛む回数が少ない早食いは、満腹感を感じるまでに食べ過ぎてしまううえに、
血糖値を急上昇させるため、インスリンが大量に分泌され、
脂肪がたまりすくなるということです。


ですから、ひとくち20回は噛むことを意識しましょう。

歯や歯ぐきの不調は、痛みを感じたり、歯が抜けたりするまで
気にしない人が多いようですが、その無関心はとても危険です!

「内臓脂肪」を落とすためには「口の中の健康」はとても重要です。
意識を高めてゆきましょう

歯科医院での口腔ケアがコロナウイルス感染予防に役立ちます!

歯科医院での口腔ケアがコロナウイルス感染予防に役立ちます!
こんな時だからこそ、ピンチをチャンスに。
歯医者さんで、お口の細菌を減らしてコロナ予防をしましょう!

新型コロナウイルスが、いまだに猛威を振るっております。

ウイルス感染が心配で、歯科医院に行くのをためらっている方もいらっしゃることでしょう。
でも、口腔ケアがウイルス感染を防ぐ効果があることをご存知でしょうか?

インフルエンザ感染が口腔ケアの徹底によって防げることは研究の結果明らかになっています。
新型コロナウイルスについても、口腔ケアで予防、重症化予防への効果があると報告されてきています。

つまり、ウイルス感染が懸念されるこのような時だからこそ、口腔ケアが大事になってきます。

口腔ケアがウイルス感染症に効果的な3つの理由をお話しいたします。

①ウイルスの感染を助ける口腔内細菌を減らします!


ウイルスの感染というのは、主に鼻と口から起こります。
ただし、ウイルスが入ってきたからと言ってすぐに感染するわけではありません。

感染が起こるかどうかは、ウイルスが体内の粘膜細胞の中に入り込むかどうかによって決まります。

実は、お口の細菌がウイルスを粘膜細胞の中に入り込むのを助けるタンパク分解酵素(プロテアーゼ)を出すことがわかっています。
特に、歯周病菌が強力なタンパク分解酵素を持っていることがわかっており、歯周病菌のコントロールがウイルス感染症予防にも重要だと言われています。


②口腔ケアが腸内細菌のバランスを整え、免疫力を向上させます!


ウイルス感染を防ぐためには、体の免疫力を低下させないことも大事です。
腸内細菌のバランスを整えることで免疫力が高まることは知られていますが、お口の細菌が食道→胃→腸へと移動し、腸内細菌を乱して体の免疫力を下げてしまう可能性があると言われています。

そのため、お口を不潔にしている方や、歯周病にかかっている方は、食事のたびにお口の細菌が腸内へ運ばれ、免疫力を下げてしまう恐れがあります。

口腔ケアをしっかりと行っておけば、腸内細菌のバランスがより良くなり、免疫力向上が期待できます。


③口腔ケアでウイルス性肺炎の重篤化を防ぐことができます!

高齢になるにつれ、食べ物や唾液が誤って気道に入ってしまう「誤嚥」が起こりがちになります。
この時、お口の中が不潔な状態だと、細菌が気管や肺に入り込み「誤嚥性肺炎」を起こしやすくなります。


誤嚥性肺炎を起こしている状態のところに新型コロナウイルスによる肺炎が起こると、肺炎が重篤化する恐れがあります。
口腔ケアをしっかりと行い、細菌による誤嚥性肺炎を起こさないようにしておくことで、新型コロナウイルスによる肺炎の重症化を防ぐことができます。

今後、新型コロナウイルスに関する研究が進むにつれ、インフルエンザ同様、感染の予防には口腔衛生管理が重要であることがはっきりしてくることと思います。


新型コロナウイルス感染予防対策としては、手洗い・うがいに加えて、毎日の丁寧な歯磨き、そして、定期的な歯科医院での専門的なクリーニングなどのケアが大事なことをぜひ覚えておいて下さい